リウマチ因子とは、免疫グロブリンの一種である「IgG」に対する自己抗体です。
正式名称はリウマトイド因子と呼ばれ、関節リウマチ患者のおよそ8割以上がリウマチ因子の血液検査において陽性反応を示します。(定性の基準値は陰性)
※関節リウマチ患者の約8割はリウマチ因子が陽性反応を示す
この陽性反応の定性を示す性質から関節リウマチの可能性が検討される場合はリウマチ因子の測定を行い定性の確認が行われるのが一般的です。
但し、この検査結果は、関節リウマチを発症していない場合でも陽性を示すケースも数パーセントあり、また陽性反応を示したからといって今後必ず関節リウマチを発症するというわけではありません。
リウマチ因子の数値を測定することによって関節リウマチの進行状態がどの程度進行しているのか?また治療過程においては、治療効果の度合いを確認する目安となります。
以下に示す正常値範囲は一般的な基準値の範囲であり、検査を行う病院や担当の医師によっても正常範囲が異なるケースもありますのであくまで検査数値の指標としてご確認ください。(但し医師によって大きく逸脱するようなことはまずありません)
【リウマチ因子(RF)血液検査の正常値一覧表】 | ||
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範囲 | 検査値 | 定性 |
炎症反応が活発である可能性が高い範囲 | 300mg/dl以上 | 陽性 |
既に発症している可能性が検討される範囲 | 100mg/dl以上 | 陽性 |
関節リウマチの可能性が検討される範囲 | 40mg/dl以上 | 陽性 |
やや高いとされる範囲 | 20mg/dl以上 | 陽性 |
正常値の範囲 | 19mg/dl以下 | 陰性 |
リウマチ因子の定性は関節リウマチの診断においてはあくまで参考数値のしての指標でしかありません。
もちろん重要な検査でないという意味ではなく、ひとつの指標でしかないという意味であり関節リウマチを特定する因子であるとは言えないという意味です。
関節リウマチを既に発症している患者の多くがリウマチ因子IgG検査にて陽性を示すことからも病気の診断指標の目安としては重要な指標のひとつです。
尚、実際に関節リウマチの可能性を検討していく場合は、リウマチ因子検査の他、CRP検査(C反応性蛋白)や赤血球沈降速度(赤沈)に亢進が見られるかどうかなど複数の検査を行いながら慎重に診断を下していくことになります。