尿検査は、尿の成分から各種臓器の機能や状態を確認する為に行われる代表的な検査の総称です。
具体的には水素イオン濃度を調べる「尿PH検査」の他、「尿たんぱく検査」、「尿潜血検査」が同時に行われます。
今回は、尿検査の検査数値の見方、そして検査結果からどのような事が解るのかについて確認していきましょう。
尿PH検査のPHとは、「水素イオン濃度」の略称で酸性度とも呼ばれます。
通常、尿は「弱酸性」に保たれるように体内で調整されております。
PHは睡眠時に酸素が酸性に傾きます。
また肉類などのいわゆる「酸性食品」を摂取すると、酸性尿に傾き、野菜などのアルカリ性食品を摂取すると、「アルカリ尿」に傾きます。
尿内のpHを調べるPH検査は
●肺機能
●腎機能
の確認を行う際に主に検査が実施されます。
尿PH検査値の一般的な正常値の範囲、基準値の範囲について見ていきましょう。
ここで掲載する数値の範囲は、一般的な尿PH検査値の基準値の指標であり、仮に基準値内であっても、疾患の可能性や症状の可能性がないという訳ではありません。
尚、尿PH検査では、「試験紙」を使用して属性を測定します。
【尿PH検査値の基準値表】 | |
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範囲 | 数値 |
アルカリ尿診断 | 8.5以上 |
ややアルカリ属性 | 8.0~8.5 |
基準値の範囲 | 5.0~8.0 |
やや酸性属性 | 4.5~5.0 |
酸性尿診断 | 4.5以下 |
※検査基準値の範囲は臨床検査を行う施設や測定方法により異なります。
血液中には数百種類以上のたんぱく質成分が含まれております。
これらの血中内のタンパク質は腎臓でろ過されたのちに尿として体外へ排出されます。
腎臓が正常に機能している場合、タンパク質はろ過されているので排出される尿にはたんぱく質はほとんど含まれておりません。
しかし腎臓の機能が低下していると、尿中の蛋白質が多くなり濃度が高くなります。
この特徴を生かして腎機能の検査を行うのが尿蛋白検査です。
尿蛋白検査値の一般的な正常値の範囲、基準値の範囲について見ていきましょう。
ここで掲載する数値の範囲は、一般的な尿蛋白検査値の基準値の指標であり、仮に基準値内であっても、疾患の可能性や症状の可能性がないという訳ではありません。
尚、尿蛋白検査では、「尿中」の尿蛋白の定性測定を行います。
【尿蛋白検査値の基準値表】 | |
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範囲 | 定性 |
要注意・腎機能低下が認められる範囲 | 陽性+2以上 |
上昇が認められる範囲 | 陽性+1 |
基準値の範囲 | 陰性 |
※検査基準値の範囲は臨床検査を行う施設や測定方法により異なります。
尿潜血検査において、数値に「陽性反応」が強く確認された場合は、合わせて尿沈渣検査を実施します。
尿沈渣検査とは、尿を遠心分離機にかけ、分離された成分を直接顕微鏡で確認する検査のことです。
遠心分離機にかけられた尿は、
●赤血球
●白血球
●尿酸
●細胞組織
など分離し沈殿していきます。
検査では顕微鏡1視野に対する、各細胞組織の個数を確認していきます。
尿潜血とは、尿に血液組織が混じっている状態の尿のことを言います。
尿潜血検査では、尿内に含まれる「赤血球」の数を確認し、血尿の有無を確認します。
血尿と言えば、血のような肉眼でもはっきりわかる尿をイメージされる方が多いかもしれません。
しかし現実的には血尿には
●肉眼的血尿
●顕微鏡的血尿
の2つのパターンの血尿があり、発症の大半のケースは後者の「顕微鏡的血尿」であるのが実態です。
通常、尿に赤血球はほとんど存在しません。
ですから血尿と診断される場合は、腎機能が低下している可能性が検討されます。
尿潜血検査の結果、陽性反応が強く確認されるケースでは、より詳しい
●尿沈渣検査
を実施することになります。
尿潜血検査値の一般的な正常値の範囲、基準値の範囲について見ていきましょう。
ここで掲載する数値の範囲は、一般的な尿潜血検査値の基準値の指標であり、仮に基準値内であっても、疾患の可能性や症状の可能性がないという訳ではありません。
尚、尿潜血検査では、「尿中」の赤血球から定性属性を測定します。
【尿潜血検査値の基準値表】 | |
---|---|
範囲 | 定性 |
要注意・腎機能低下が認められる範囲 | 陽性+3以上 |
上昇が認められる範囲 | 陽性+1・陽性+1 |
基準値の範囲 | 陰性 |
※検査基準値の範囲は臨床検査を行う施設や測定方法により異なります。