街中で「献血のご協力を宜しくお願いします!」と大きな声で献血活動を頑張っている学生ボランティアを見かけたことが一度はあると思います。
日本における献血は全て日本赤十字が主体となって活動をしております。日本赤十字の公式ホームページはこちら
献血専用の大型バスのような車を見かけたこともあるでしょうし、教育機関である大学、専門学校や会社のオフィス街周辺にも場合によっては献血車が訪れているのもおそらくご存知でしょう。
日本に限る話ではありませんが、医療機関では日々、輸血を行う為に血液を必要としており、全国の医療機関を総合すると1日でも大量の輸血用の血液を消費しております。
輸血できる血液は同型の血液型が基本ですね。
O型は万能の血液と思われていますが、実際に輸血に使用する血液は原則同型の血液型であり、特にAB型の血液型の人は日本では非常に少ないと言われております。
このように献血による血液の取得は非常に重要であることは間違いありませんが、献血をする際には、血液感染症の有無やヘモグロビン濃度の確認を行い、「献血を行っても良いドナーかどうか?」の確認が行われてから、献血を行うことになります。
※献血が可能なドナーかどうかのチェックの指標としてヘモグロビン濃度が確認される
ヘモグロビンの濃度が低いと献血が出来ないというのは本当です。
これは献血の種類、血液採取量にもよりますが、一般的にヘモグロビン濃度が低く、「貧血症」と判断される数値を示す場合は全血献血を行うことが出来ません。
全血献血とは、一般的に知られている血液を直接提供する献血方法で、200mlと400mlの2種類の献血方法があります。
これは献血の1単位が200mlと定められている為で、3単位となる600mlからは一度の献血で血液を提供することはできません。
※献血は1単位が200mlと定められている
これは日常生活に支障をきたさないとされる上限量が400mlと規定されている為です。
ヘモグロビン濃度は、採血を行う機関によっても基準が若干異なるケースがありますが、基本的に200ml献血では12.0g/dl以上のヘモグロビン濃度があることが献血条件の基準となっております。
これは、男女別のヘモグロビン数値の一般的な正常値、基準値の範囲表の数値と同じですね。
全血献血では、献血が可能かどうかの条件として、ヘモグロビン濃度の他にも幾つかの条件を定めております。
基本的に定められている献血の条件は以下の通りです。
尚、下記表の年齢制限の上限に関しては還暦を迎えてから、65歳になるまでに「一度」でも献血実績がある場合は、69歳まで献血を行うことができます。
全血献血の制限範囲表 | ||
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項目 | 200ml全血献血 | 400ml全血献血 |
ヘモグロビン濃度 | 原則12.0g/dl以上 | 原則12.5g/dl以上 |
ヘモグロビン血液比重検査 | 1.052以上 | 1.053以上 |
年齢制限 | 16歳以上~65歳未満 | 18歳以上~65歳未満 |
体重 | 男性45kg/女性40kg以上 | 50kg以上 |
年間採血量制限 | 男性1200ml/女性800ml | 同じ |
年間献血回数制限 | 男性6回/女性4回 | 男性3回/女性2回 |
献血間隔制限 | 4週間 | 男性12週間/女性16週間 |
成分献血とは、成分採血装置と呼ばれる機械を使用して、「血小板成分」や「血漿成分」だけを採血する献血です。
主に血小板の献血として広く知られていることから血小板献血とも呼ばれております。
血小板献血の最大の特徴は、体内で回復、再合成されるまでに長い期間を必要とする赤血球に関しては体内に返還されるという点にあります。
※血小板献血(成分献血)では赤血球は体内へ戻される
全血献血では、血液そのものを採血することから、血液内に含有されている全ての成分を提供する形となり、当然赤血球も含まれます。
しかし、赤血球は再生されるまでに時間がかかる成分であることから、しっかりと適切量が補われるまでの回復期間に関しては少なからず人体へ負担が継続的にかかることにつながります。
貧血気味の女性の場合は、この小さな負担も大きな疲労となって現れる可能性もあるのです。
血小板献血では、血小板を採血することから、ヘモグロビン濃度が全血献血の基準値に満たない場合であっても献血が可能なケースが多くあるのもひとつの特徴です。
~ポイントのまとめ~
★献血が可能なドナーかどうかのチェックの指標としてヘモグロビン濃度が確認される
★献血は1単位が200mlと定められている
★全血献血では幾つかの制限項目が定められている
★血小板献血(成分献血)では赤血球は体内へ戻される為人体への負担が少ない