高血圧症の中でも腎性高血圧症の場合は、腎機能の低下に伴い老廃物の排泄が上手にできなくなり塩分が体内に多く残ってしまうケースがあります。
体内に多く残った塩分は、大量の水分を必要とするため、体内の血液量も増加し結果的に心臓のポンプが送り出す血流量も増大し、その負担が血圧上昇となるのです。
クレアチニン血液検査では検査数値が高い場合に、この腎性高血圧症の可能性が検討されます。
これは腎機能の低下が原因となって血中内に多くのクレアチニンが残ってしまっている状態であると想定されるためです。
クレアチニン数値の上昇と腎臓はこのように関連性があり、腎機能の低下にともなって塩分の排泄がなされなくなると高血圧症へと繋がっていきます。
ですからクレアチニンと高血圧症もまた関連性があると言えるでしょう。
尚、体内の塩分量と体内水分量・血液量はおおよそ比例して増減します。
※塩分比率が高まると体内水分量も増加する
その為、腎機能低下によって塩分の排泄ができなくなると塩分は水分を溜め込むことから心臓への負担が増大し高血圧症を招くことになるのです。
人間は塩分と水がなくては生きていけません。
数日の食事を抜いても10日間程度は生命を維持することが可能です。
しかし数日水分をとらないと体は持ちません。
また塩分が全く摂取できない場合は同様にやはり生命の維持はできません。
2週間程度ほぼ絶食状態であった遭難者が塩分とミネラルが多く含まれている水分補給を行うことができた為に生還できた事例もあります。
これは腎臓が塩分を上手に使いまわすことで体内水分量もしっかり保持できたことが要因のひとつにあると言えます。
しかし、この塩分量は多すぎても高血圧症を招く要因ともなります。
その為、適切に「体内の塩分量」を腎臓で最終調整しているのですね。
塩分の特徴について確認しておきましょう。
血液中に存在するミネラル成分の塩分は水分を保持するという性質ももっております。
その為血中内の塩分濃度が高くなると、水分をたくさん溜め込むようになり、濃度が極端に上昇すると見た目にもわかる「むくみ症状」を発症するようになります。
むくみは女性の大敵でもありますよね。
特に下半身のむくみは出来る限り避けたいものです。
腎機能が低下すると塩分の排出機能も低下し、むくみ症状を発症しやすくなる傾向にあります。
また、この特性を考え、ひどいむくみ症状が続く場合は、逆に腎臓に何らかのトラブルが発生している可能性を検討することも可能です。
このように腎機能と塩分濃度は密接に関与しているのですね。
~ポイントのまとめ~
★塩分比率が高まると体内水分量も増加する
★血液量が増加すると心臓への負担が増大し高血圧になる
★腎臓は排泄と濾過、再吸収によって体内の塩分量を調節している
★腎機能と血液中の塩分濃度には関連性がある