疲労骨折とは、「骨折を起こさない程度の負荷」が、繰り返し加わった場合に生じる骨折です。
慢性的な疲労から発症することからオーバーユース系の障害と言えます。
オーバーユース系とは、いわゆる「使い過ぎ」の事でオーバーユース症候群(使い過ぎ症候群)に分類される疾患のひとつでもあります。
ですから、捻挫などのように関節に大きな外力が加わった際におこる損傷や、打撲による骨折とは性質が大きく異なります。
この疲労骨折は「軍隊の訓練」で起こる中足骨の
●行軍骨折=(march fracture)
として広く知られておりますが、近年では疲労骨折の発症原因の大半はスポーツアスリートに発症しております。
最も疲労骨折を発症しやすいのは中学生から高校生です。
尚、男子の場合は高校1年生から急増し、女子の場合は中学校高学年から徐々に増加する傾向があります。
年齢的には
●15~16歳の青少年
に発症しやすいのが大きな特徴です。
この時期は、体も徐々に完成に近づき、部活動などにおいても
●強度の高いトレーニング
●長時間の競技練習量
が強いられるようになるのが原因と考えられます。
疲労骨折やシンスプリント症候群を最も発症しやすい年齢は10代ですが、30代・40代・50代でも疲労骨折は発症します。
30代で発症率が高くなるのは、社会人となり一段落したところで運動を再開するケースが増えてくる為です。
近所のウォーキングやジョギングなどから運動を再開した場合でも、学生時代のようなイメージで運動を再開すると直ぐに症状が発症するケースもあります。
また、結婚を契機に体重が増加したためダイエット目的で運動を再開するようなケースも30代に多くみられる特徴です。
40代では、仕事の付き合いなどでゴルフに行く、女性の場合は子育てが少し落ち着きスポーツクラブに通うなど、運動を始めた際に頑張りすぎてしまい疲労骨折を発症するケースがあります。
これらの多くの根本的な原因は運動不足状態から急激に運動を再開してしまうことが原因です。
また、50代以降は、驚かれるかもしれませんが咳やくしゃみなどがきっかけで肋骨の疲労骨折を発症するケースも出てきます。
咳は一回や二回では疲労骨折に至りません。
しかし、風邪を引いて継続的に咳を繰り返す場合などは疲労骨折に至るケースがあります。
年齢的には幅広い年代で発症しますが、その要因には一定の傾向がみられるのも疲労骨折の特徴であると言えます。
疲労骨折の症状の特徴は「スポーツ活動を始めると痛みはじめる」という特徴があります。
一般的な外傷性による骨折などのケースでは、患部の腫れも大きく痛みも強いため運動自体を行うことが困難なものです。
その為、骨折の治療を行う際にはギプス固定などで骨折部位を固定します。
しかし、「疲労骨折」の場合は徐々に骨への負担が重なり最終的に骨折に至るという特徴もあり、ある程度の運動ならば実践が可能であるという点もくせものです。
更に運動後、しばらくは疲労骨折を発症している骨折部位が痛みますが、その痛みは徐々に和らいでいきます。
その為、重度になるまで診察を受けないスポーツアスリートが多いのも特徴です。
シンスプリントの場合は脛に強い痛みを生じるようになりますが、このシンスプリントも運動がある程度可能であるため、発見が遅れ治療の開始が遅くなり重度の症状に陥りやすい疾患です。
我慢して運動ができてしまう為、最終的に脛骨の疲労骨折に至り完治までの期間が長期的になってしまう傾向もあります。
部活動などでは生徒が痛みを訴えても、知識のない指導者であれば「成長痛」程度にしか考えません。
確かに第2次成長期にあたる中・高校生の場合は、この成長痛も発症する事が多いのも間違いありません。
その為、既に疲労骨折の初期段階に突入している段階でも運動を継続し、最終的に程度の重い骨折に発展するケースも多くみられるのです。
継続的な痛みを感じる場合は炎症が発症している証拠です。
アスリートはある程度、自己診断でどのような状況にあるのかを確認できるようになるのが理想と言えます。
現在、疲労骨折の疑いを感じている場合は、自覚症状から自己診断を行なってみましょう。
自己判断の基準としては「運動をしたら痛み始めるが、運動後は痛みがひいていく」などのようなケースが数週間以上続くようであれば、まず疲労骨折を疑ってみることが大切です。
期間の目安としては2週間程度同じ状態が続くなら要注意です。
疲労骨折は段階的に進むオーバーユース障害、いわゆる使い過ぎが原因となる疾患です。
ですから、骨折に至る前段階で症状を見極め、これ以上進行させないように早めの処置を実践していくことが大切です。
尚、病院の診察ではレントゲン写真などでもある程度の判別がつきますから、現在既に疲労骨折の疑いを感じている場合は早めの診察が重要となります。
疲労骨折が発症する場合、そのスポーツ競技によって負担のかかる部位が異なる為、骨折しやすい骨も変わってきます。
スポーツアスリートの場合の疲労骨折を最も発症しやすい部位は、
●脛骨(けいこつ)
●中足骨
の疲労骨折です。
脛骨の場合は、特にマラソンランナーなどの長距離のランニングを行う競技や、ジャンプ動作を繰り返す、バレーボール・バス ケットボールなどのアスリートに多く発症します。
シンスプリントは脛骨疲労性骨膜炎とも呼ばれ、脛骨前面付着部位に炎症を生じることで痛みを発症し、重症化すると疲労骨折に繋がります。
中足骨の疲労骨折はサッカー、ラグビー、格闘技で多く見られ継続的な疲労だけでなく外部からの強い衝撃が要因ともなるため通常の骨折との見極めが難しくなる点がひとつのポイントです。
その他では野球では主にピッチャーに多い
●尺骨肘頭
の疲労骨折、ゴルフなどでは
●肋骨(ろっこつ)
の疲労骨折が多く見られます。
尚、肋骨の疲労骨折は高齢になると咳やくしゃみでも骨折してしまうケースが非常に多いという特徴があります。
疲労骨折と区別が難しい障害のひとつにシンスプリントがあります。
これは、脛骨に限っての話となりますが、最も多い脛骨の疲労骨折と、シンスプリントの自覚症状は非常に似ている点がポイントとなります。
シンスプリントの医学的な正式名称は
●脛骨疲労性骨膜炎(けいこつひろうせいこつまくえん)
と呼びます。
脛骨疲労性骨膜炎は疲労骨折同様、慢性的な疲労、いわゆるオーバーユースシンドローム系の障害です。
疲労骨折とシンスプリントの違いを判断するには、その痛みの発症部位を探る事でおおよその判断が可能です。
疲労骨折の場合は、亀裂が生じている部位が直接腫れたり、炎症をおこします。
これに対し、シンスプリントの症状の特徴としては、
●下腿の内側、脛骨の下方1/3に痛みが発生
するという特定部位に痛みを生じる症状の特徴があります。
ですから、脛骨の下方1/3近辺に痛みがある場合は、シンスプリント、疲労骨折の両方を疑う必要があります。
また、同一部位が既に疲労骨折してしまっている場合は、シンスプリントが重症化し疲労骨折に至った可能性も考えなければいけません。
シンスプリント自体は脛骨疲労性骨膜炎という名の通り、脛骨の骨膜炎ですが、症状を放置し運動を継続すると疲労骨折に至る可能性がある点を把握しておく必要があります。
シンスプリントの痛みが生じている場合は、痛みの発症部位である脛骨付着部位に炎症が発生しております。
ですからシンスプリントの治療ではまず、この炎症を抑える事が重要です。
炎症を抑える方法としては
●アイシング療法
●非ステロイド抗炎症剤の服用
●湿布などの添付
などの方法がありますが、基本的にはアイシング療法が行われます。
アイシングは運動後できる限り早い段階で取り入れるのがベストです。
プロ野球の投手が、登板後すぐにベンチ内で肩や肘をアイシングしている姿を見たことがある方も多いでしょう。
これはアイシング療法は運動直後に実践することで最大の効果が得られるためです。
非ステロイド抗炎症剤の服用は、どうしても運動が必要な場合、また炎症が強く痛みの強い場合のみと考えても良いでしょう。
尚、湿布に関しては、炎症を抑える能力が最も乏しい為、効果は低くなります。
しかし、湿布には鎮痛剤が添付してあるケースが多いので、鎮痛作用に関しては若干期待は出来ます。
シンスプリントは治療開始後、徐々に痛みが和らいできますが運動を再開すると、痛みも再発するケースが多くあります。
症状が治まってくる⇒運動を再開⇒しばらくすると痛みが再発
このサイクルを何度も繰り返してしまう事は珍しい事ではありません。
シンスプリントはそもそも使い過ぎが原因のオーバーユース系疾患ですから、治療の根幹は絶対安静が一番です。
しかし、現役世代のスポーツアスリートが絶対安静を長期間保つ事は実質困難である為、症状と回復度合いを見ながら探り探り運動を再開していくことになります。
ですから、自分の状況を見極めながらシンスプリントと上手に付き合っていく事も大切な事です。
本質的には怪我は完治させるのがベストであることは言うまでもありません。
しかし中高生期間のアスリートにとっては二度とない大切な大会に出場することも大切な事でしょう。
もちろん、ただ出場できれば良いという甘いものでもありません。
しっかりとスキルを落とさずに、最低限のパフォーマンスを発揮できる状況で大会当日を迎えたいのが本音でしょう。
その為にも、どのようにその大会に照準を合わせて治療を行っていくかを医師と一緒に考えていくことも大切なのです。
シンスプリントの発症原因のひとつとして、
●足裏のアーチの崩れ
があります。
これは、足裏のアーチを形成している「長趾屈筋」の疲労により、アーチが潰れてしまい、その事によって着地時の衝撃を受け止めることが出来なってしまう経過が考えられます。
ですから、シンスプリントの予防やリハビリを考える際は、「長趾屈筋」を意図的に鍛えていく必要があります。
長趾屈筋は脛骨後面の中央1/3部を起始として、足裏の第2~5末節骨底にまで伸びる屈筋群です。
足指で地面を捕まえるように動く際に屈筋として作用し、足裏のアーチの形成に不可欠な筋肉でもあります。
足裏の筋肉を強化し長趾屈筋を鍛える事で足裏のアーチ構造を保ち着地時の衝撃を緩和する事で結果的に脛骨付着面に加わる衝撃を和らげシンスプリント症状を予防する事が可能となります。
長趾屈筋を鍛える方法として最も簡単な方法は「タオルギャザー」です。
これは、足裏のアーチをつかさどる下腿の筋肉郡を強化する事で、アーチを強く保ち、シンスプリントの再発の予防に努めるトレーニングです。
足首の捻挫を発症した時なども、足間接に負担をかけずに行えるリハビリとしてアスリートに広く実践されているリハビリメニューでもあるので覚えておいて損はありません。
タオルギャザーの方法は以下の流れになります。
①地面にタオルを置き、そのタオルの前方に本など軽い錘をのせます。
②そのタオルを足の指のちからだけで手前に引いていきます。
③タオルを引っ張りきって、足指に錘がついたら終了。
とてもシンプルですがこれが基本的な流れです。
セット数としては、錘を引っ張りきった状態までを1セットとし10~20セット程度繰り返していきます。
負荷は錘によって上げることは可能です。
しかしタオルギャザーでは錘を増やすより、セット数や頻度を増やし回数をこなす事に重点を置き、アーチ構造を形成する疲労に強い筋力を形成する事が大切です。
尚、長めのタオルを準備すると慣れるまでは終盤に想像以上にきつくなってきます。
リハビリ期間は10セット~20セットを1日2回を目安に取り組むのが理想です。
シンスプリントの予防としてのテーピング、また発症してしまった場合のテーピング方法を見てみましょう。
シンスプリントのテーピング方法は以下の流れで行います。
●アンダーラップ(下腿2分の1)を巻きます。
●テーピングを足関節の上からスネの下前面よりテープを始め外側より内側へ斜めに強く引きながら沿うように貼りつけていきます。
●脛骨に渡って伸びる後脛骨筋(こうけいこつきん)の付着部分を圧迫するために、内側より下肢前面に向け斜め上へテープを貼っていきます。
※ポイントは下腿3分の1部分の前面に向けてテンションをかけながらしっかり貼ること。
●同様にテープを少しずつ下方にずらしながら4~5枚、下腿にそって足首近辺まで貼っていきます。
●足関節部分、下腿部分それぞれに再度アンカー。
以上でシンスプリントのテーピングは終了です。
足首捻挫のテーピングと大きく異なる点は、テーピングの狙いのポイントがすね部分にある点です。
その為、筋膜の補強を兼ねて脛部分を中心にテーピングを行うことになります。
脛骨の疲労骨折には大きく分けて
●跳躍型疲労骨折
●失踪型疲労骨折
の2種類パターンの疲労骨折があります。
脛骨跳躍型疲労骨折は、「脛骨前方に働く張力」が原因となり、主に脛骨の上1/3に発生します。
頻繁にジャンプ動作を繰り返す競技を実践しているアスリートに発症例が多く、脛骨跳躍型疲労骨折の場合は、
●完治までに半年~1年程度
●競技への復帰に関しては、最短でも3ヶ月以上
の時間がかかり復帰を果たしても、最初は軽い運動しか行えません。
跳躍型に対し脛骨失踪型疲労骨折は、その大半が脛骨の下1/3のに発生します。
シンスプリントの痛む部位に近いのが特徴ですが、こちらは脛骨跳躍型疲労骨折よりも発症割合も高くなります。
脛骨失踪型疲労骨折の場合は、
●完治までに2ヶ月程度
●競技への復帰に関しては、1ヶ月程度
で復帰が可能となります。
【脛骨疲労骨折の回復期間の目安】 | |||
---|---|---|---|
種類 | 完治までの回復期間 | 競技へ復帰する期間 | |
跳躍型疲労骨折 | 完治までに半年~1年程度 | 最短でも3ヶ月以上 | |
失踪型疲労骨折 | 完治までに2ヶ月程度 | 1ヶ月程度 |
但し、脛骨疲労骨折はどちらのパターンも再発の可能性を秘めております。
その為、復帰後も過度な運動に関しては細心の注意が必要です。
脛の内側に痛みがあるケースのシンスプリントでは柔軟性の問題と合わせて筋力のバランスの原因も考えられます。
筋肉には「拮抗筋」という筋肉が存在することをご存知でしょうか?
この拮抗筋とは「特定の筋肉に対して文字通り拮抗する働きをもつ筋肉」のことをあらわします。
一番わかりやすい例としては、上腕の筋肉です。
上腕を曲げると「力こぶ」が盛り上がるのが確認できると思います。
これは「力こぶ」を形成する筋肉である
●上腕二頭筋(じょうわんにとうきん)
と呼ばれる筋肉が収縮し太く短くなって盛り上がっていることを表します。
この際、筋肉は縮みながらエネルギーを出力します。
そしてこの時に、筋肉が引き伸ばされる筋肉が拮抗筋と呼ばれる筋肉です。
上腕の場合では、力こぶの裏側にあたる二の腕部分の
●上腕三頭筋(じょうわんさんとうきん)
がこの拮抗筋にあたります。
では、シンスプリントの発症部位である脛の筋肉の場合はどうでしょうか?
下腿の筋肉は下腿の前面に前脛骨筋と呼ばれる筋肉があります。
つま先を自分の脛側に近づけるように動かすと脛の前面の筋肉が収縮しますが、この際、脛の裏側のふくらはぎの筋肉が引き伸ばされているのが解ります。
この脛にある前脛骨筋の拮抗筋がふくらはぎにある下腿三頭筋と呼ばれる筋肉です。
この下腿三頭筋は文字通り3つの筋頭を持つ筋肉で、二つの筋頭を持つ腓腹筋とひらめ筋で構成されております。
拮抗筋の働きについては前項でご説明したとおりです。
シンスプリント障害の場合は、この拮抗筋のバランスが影響を与えるケースも考えられます。
これは、ふくらはぎの下腿三頭筋と呼ばれる筋肉に対し、脛の部分の前脛骨筋と呼ばれる筋肉が軟弱なケースに起こりうるケースです。
特に「脛の外側が傷むケース」に関しては、この拮抗筋のバランスが問題になります。
これは、どちらかと言えば運動をあまりしていない方よりも、普段からスポーツをがんがん実践しているスポーツアスリートに特に多い傾向にあります。
日常からスポーツを行っているアスリートのふくらはぎの筋肉は、一般の人に比べて強靭です。
見た目にもふくらはぎが「子持ちのししゃものお腹」のように盛り上がっている。
このようなスポーツ選手のふくらはぎは見た目だけではなく実際に筋力も強く強靭です。
特に、ジャンプ系のスポーツ競技をしているアスリートなどのふくらはぎの筋肉は鍛えられています。
その為、ふくらはぎの筋肉が強く働く際に、拮抗筋である脛の筋肉にダメージを与えてしまうのです。
このダメージは脛骨付着面へ衝撃を与え、最終的に脛骨と前脛骨筋の付着面、脛の骨のやや外側に炎症を発症しやすくなります。
これが、拮抗筋のバランスの悪さによるシンスプリント発症のメカニズムです。
このケースでは筋力が少ない方よりも筋力が強すぎるゆえに発症するという点がポイントになります。
日本人の40代以上の成人のおよそ7割は腰痛に悩まされている、もしくは悩まされた経験があると言われております。
このとても私たちの生活に身近な腰痛ですが、この腰痛の原因のひとつとしても拮抗筋のバランスの問題が関わっております。
椎間板ヘルニアや腰椎分離症など直接的な腰部の障害ではなく、慢性的に腰痛が発症しているような場合。
このようなケースでは、腹直筋の強化を図ることで腰痛症状が改善されるケースも実際に多くあります。
これは、加齢に伴う筋力の低下も関わっておりますが、臀部から真っすぐ背骨沿いに伸びる「脊柱起立筋」と呼ばれる背中の筋肉に対して、腹部の中心を覆うように位置する「腹直筋」の方が筋力が低下しやすい事が原因にあります。
成人になると誰もが少しずつ下腹部が垂れ下がってきがちですが、これはやはり腹筋の筋力低下が要因のひとつです。
しかし、腹直筋の拮抗筋である脊柱起立筋は同様に筋力が低下していきますが、腹直筋ほど筋力が低下しない為、ここでもアンバランスが生じます。
拮抗筋はどちらか一方の筋力が強い場合に負担が生じる為、前述した脛の外側の痛みのように腰痛が発症するのです。
尚、太ももの場合は、太もも前面にある大腿四頭筋が比較的強いため、裏側にある大腿二頭筋(ハムストリングス)に肉離れが発症しやすいという特徴があります。
このように拮抗する筋肉のバランスを整える事も障害の根本的な治療の知識として大切なことです。
脛骨(けいこつ)とは、膝と足関節にまたがる脛の部分にある骨で「長骨」に分類される骨です。
人体を構成する骨組織の中では、大腿骨(だいたいこつ)に次いで2番目に長い骨組織となります。
脛を構成する骨は2本あり、この脛骨と「腓骨(ひこつ)」の2本が脛の骨格を形成しております。
脛骨はすねの内側部分に位置し腓骨よりもかなり太く比較的がっちりとした骨です。
場所を確認する場合は、すね部分の中央前面にある骨で簡単に触れることのできる骨が脛骨となります。
尚、シンスプリントなどの障害は、「脛骨過労性骨膜炎」と呼ばれるように、この脛骨にダメージをこうむる障害のひとつです。