◆ホルモン分泌の調整を行うフィードバック機構とは?
フィードバック機構とは血液中のホルモンのバランスを調節する一連の流れに沿った組織のことです。
当サイトでは何度かフィードバック機構について触れてきましたが、フィードバック機構にはホルモンの分泌に関して指令を行う組織に幾つかの階層が存在します。
その最も上位の階級に位置する組織が甲状腺刺激ホルモン放出ホルモンを分泌する「視床下部」です。
視床下部の下の階層には下垂体があり下垂体の下に甲状腺ホルモンを分泌する「甲状腺」が存在します。
この甲状腺は甲状腺ホルモンの血中濃度が高まってくると、「これ以上ホルモンの分泌を促す必要はありませんよ」という情報を上位階級の視床下部と下垂体へ送信します。
そして情報を受け取った視床下部と下垂体はホルモンの分泌を促すように刺激を加える刺激ホルモンの分泌を抑制する為に「抑制ホルモン」と呼ばれる成分を新たに分泌し調整を行います。
この下部組織から上位組織へ情報が戻される機構が甲状腺ホルモンのフィードバック機構と呼ばれる組織の流れです。
血液中の血中濃度の調整はこのようにフィードバック機構の働きがあることで上手に調整されているのですね。
尚、抑制ホルモンの分泌を促す情報を甲状腺から送ることをネガティブフィードバック、刺激ホルモンの分泌を促す情報を送ることをポジティブフィードバックと呼びます。
また甲状腺などの内分泌線から直接最上位の視床下部へ情報をフィードバックすることを長環フィードバックと呼びます。
~ポイントのまとめ~
★視床下部・下垂体・甲状腺で構成
★血中濃度が高い場合はフィードバック機構により抑制ホルモンを分泌
★低い場合は刺激ホルモンの分泌を要請する
カルシトニンとはトリヨードサイロニン(T3)、サイロキシン(T4)と同様で甲状腺から分泌される成分の一種です。
甲状腺は蝶が羽を広げたような構造となっており、左右の羽をそれぞれ甲状腺佐葉(さよう)・甲状腺右葉(うよう)と呼びます。
この佐葉と右葉は小さな葉っぱ状の組織が集まって構成されており、この小さな組織は濾胞と呼ばれます。
また濾胞の他に濾胞上皮細胞、傍濾胞細胞と呼ばれる組織も佐葉・右葉を構成しておりカルシトニンは傍濾胞細胞(ぼうろほうさいぼう)から産生されております。
ちょっとややこしいですね。
尚、カルシトニンの最大の働き・作用は血液中のカルシウムイオン濃度を低下させる作用を持つことです。
またリン酸の血中濃度が上昇している場合は濃度を低くする働きもあり骨を正常な状態に保つ為に欠かせないペプチド状のホルモンでもあります。
~ポイントのまとめ~
★カルシトニンは傍濾胞細胞(ぼうろほうさいぼう)から産生される
★最大の働き・作用は血液中のカルシウムイオン濃度を低下させる作用
★リン酸の血中濃度の調整も行っている