つわりとは、一般的に
●妊娠4週目あたりから12週目前後
までの期間に嘔吐症状を発症する特徴を持つ妊娠初期の代表的な症状です。
現実的につわりに関しては誰もが症状を発症するわけではありません。
しかし妊婦の7割以上がつわり症状、もしくは近い症状を経験すると言われております。
このつわり症状の度合いとケトン体の関係の関与は密接な関係にあります。
つわり症状が強く出る妊婦ほどケトン体が上昇しやすいということです。
※ケトン体測定数値とつわり症状には関連性があると考察されている
妊娠中の妊婦のケトン体が上昇する要因は嘔吐症状などを伴うつわりによって食事がしっかりとれない状態が続くことが原因です。
嘔吐症状が続く病気としては嘔吐下痢症などの風邪症状がありますが、その症状と同様と考えると解りやすいかもしれません。
この時期は脱水症状に加えて、栄養摂取もままならない為、体内のエネルギー源となるブドウ糖が不足します。
ブドウ糖の不足は「脂肪酸」の生成を促し新しいエネルギー源として使用します。
ケトン体は肝臓内で生成された「脂肪酸から合成された成分」です。
その為、このブドウ糖不足時にケトン体が生成されるメカニズムによりケトン体数値も上昇することになるのですね。
尚、現在はつわり症状が激しい妊婦の方ほどケトン体の数値も向上する傾向があることも確認されつつあります。
ですから、つわり症状の診断としてケトン体量を測定することで、つわり症状の度合いを確認することにも繋がるのですね。
~妊婦のケトン体が上昇するメカニズム~
①つわり症状により栄養の摂取が難しい
②栄養不足によりブドウ糖が不足
③ブドウ糖の不足を感知した肝臓はケトン体を含む脂肪酸を生成
④結果、尿中ケトン体数値は上昇する
つわり症状が強く、尿検査の結果ケトン体の定性が陽性反応を示した場合。
このようなケースでは、症状も比較的重く、かなりつらい症状に至っているケースも考えられます。
悪阻(つわり)が悪化していけば更に食事の摂取が困難になり、最終的には胎盤を通じて栄養をもらっている赤ちゃんにも影響を与えかねません。
その為、ケトン体数値を参照として、エネルギー源を血管から直接補給する点滴処置が行われるケースも珍しくありません。
妊婦のケースでケトン体の定性が陽性である場合は、つわりが重いと判断される為、迅速な応急処置として点滴によってエネルギー源を補給します。
この際に使用される点滴の主要成分はブドウ糖です。
ブドウ糖は即戦力となるエネルギー源であり、脂肪酸の生成を抑制し主力のエネルギーとして活躍します。
しっかりと糖分を補給することでエネルギー代謝の仕組みも正常化し驚くほど症状が改善されることもあります。
もしつわり症状が非常に重く、食事がまったく摂れないような時は無理をせずに近くの病院で点滴治療を行ってもらうようにしましょう。
また男性の方は、妊娠中の女性のつわり症状はエネルギー代謝のバランスを崩し食事がとれないほど苦しい状態であることを把握しておくと、特に妊娠初期期間の理解が深まるかもしれません。
~ポイントのまとめ~
★ケトン体とつわり症状は関連している
★悪阻症状が重いほどケトン体数値が上昇しやすい
★点滴などでブドウ糖の補給をすると症状が改善しやすい