LDLコレステロール数値の測定は血液検査で行われるのが現在では一般的です。
しかし、一昔前までは、他のコレステロール数値からLDLコレステロール数値を算出する方法も行われておりました。
これはLDLコレステロール値を直接測定する技術が当時はまだなかった為です。
尚、現在でも会社が行う健康診断などでは、TG、TC、HDL、LDLの4つの検査は同時に行えなません。
その為、LDLコレステロール検査を除外するケースが多く計算によって求める場合もあります。
LDLコレステロールを求める計算式は以下の通りです。
LDLコレステロールを求める計算式 | |
---|---|
項目 | 記号 |
総コレストロール数値-善玉コレステロール数値-(中性脂肪数値/5)=悪玉コレステロール数値 | TC-HDLC-(TG/5)=LDLC |
尚、計算式に基づいてLDLコレステロール数値を算出する場合の条件としては
●中性脂肪数値が400mg/dl以下
であることが条件となります。
健康診断で行われるコレステロールの検査では
●総コレステロール値(TC)
を一般的に測定しておりました。
総コレステロールから確認できる危険因子の代表としては
●脂質異常症
●高コレステロール血症
などの疾患があげられます。
総コレステロール数値の特徴として、数値の増減はLDLコレステロールと同様に変化するという統計的な特徴があり、総コレステロールの数値の変動から他の数値の変動を検討することも可能です。
しかし、現在はHDLコレステロール数値が高い為に、総コレステロール数値も向上している方も多くいることがわかりました。
その為、脂質異常症などの診断基準に用いる検査項目として、総コレステロールを用いることは、脂質の異常値を正しく反映していない可能性をもつことにもつながってくるため、現在では総コレステロール数値を診断基準から除外する検査項目も出てきております。
※高コレステロール血症の診断に関してはLDLコレステロール数値を独自で検査することが適切
メタボリックシンドロームの診断基準をもとに2008年につくられた検診制度に特定検診制度があります。
この特定検診制度により、40歳~74歳の公的医療保険に加入している方は全て検診を受けることとする検診の義務化がなされました。(メタボリックシンドロームの検診であることからメタボ検診とも呼ばれます。)
メタボリックシンドロームは内臓脂肪が増加する疾患として知られておりますが、この内臓脂肪が増加すると
●LDLコレステロール
が増加するという比例関係にある点も見逃せないポイントのひとつです。
このようにメタボリックシンドロームとLDLコレステロールは密接な関係にあることから、LDL検査数値が高い場合はメタボリックシンドロームの可能性も検討することになります。
尚、メタボリックシンドロームは腹囲の測定を行うイメージが強いためか、一般的に肥満の方が発症する疾患と思われがちです。
しかし、内臓脂肪の蓄積はホルモンの異常などによっても発症する可能性もあります。
その為、仮に腹囲が診断基準値を下回っていた場合でも複数のチェックを行っておくことが理想と言えます。