脈拍測定の結果、脈拍数が基準値の範囲よりも低くなっている場合のケースについて見ていきましょう。
このように脈拍数が基準値よりも低い状態、日常時よりも脈拍数が少ない状態を医学的には「徐脈」と言います。
徐脈は洞結節から発信された信号が、信号を伝える通路で途絶えてしまう際に起こります。
このような症状を脈信号の遮断と呼びます。
徐脈は、基本的に心配の要らないケースも多くありますが、命に関わるような重要な疾患を発症している可能性も検討されます。
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基準値よりも脈拍数が低い場合に疑われる疾患の可能性について見ていきましょう。
脈拍数の徐脈が認められるケースでは、以下のような疾患を発症している可能性が検討されます。
●徐脈性不整脈群
●房室ブロック
●洞房ブロック
●甲状腺機能低下症
尚、スポーツアスリートの場合は、運動の継続に伴い心臓が発達し「スポーツ心臓」と呼ばれる脈拍数の非常に低い心臓構造を持っているケースがあります。
スポーツ心臓は一度に送る血流量が多い為、心拍数、脈拍数ともに低くなります。
しかし、これは強度の運動に耐える為の作用であり病気ではありません。
鍛えられたスポーツアスリートの心臓は、脈拍数が極端に少ない数値を示すことが多くあります。
これは、一度に蓄える酸素量が多く、脈拍数が一定に保たれる心臓へと強化されている為です。
通常、人間の心臓は運動を継続的に続けると心拍数及び脈拍は100を超えてくるものです。
しかし、鍛えられたスポーツアスリートの心臓は運動中であっても100を下回った状態をキープします。
特にスポーツ心臓が顕著に見られるのはマラソンランナーの心臓です。
マラソンランナーはランニング中であっても70近辺の脈拍数を維持していることも少なくありません。
当然、平常時の脈拍数は更に低い状態をキープしております。
ですからスポーツ心臓の場合は、例外的に除脈を示しても問題はないのです。