クッシング症候群とは、コルチゾールの過剰分泌が要因となって発症する疾患の総称です。
副腎腫瘍・下垂体腫瘍などが原因でコルチゾールが過剰に分泌される疾患は、クッシング病とも呼ばれます。
クッシング症候群の場合、コルチゾール検査値は基準を大きく超えた上昇を示すケースが多くあります。
また通常は副腎皮質から分泌されるコルチゾール量は起床後徐々に低下していきますが、クッシング症候群の場合は日内変動の幅がとても小さくなり、夜間であっても血中濃度は高値を示すようになります。
その為、コルチゾールの検査では早朝と夜間に測定を行い日内変動が確認されるかどうかもチェックすることが重要です。
このコルチゾールの日内変動のメカニズムは、副腎皮質ホルモンの分泌量をコントロールする「副腎皮質刺激ホルモン」の分泌の影響が関与しております。
その為、コルチゾールの血液検査を行う際は、「副腎皮質刺激ホルモン」の検査も同時に行うケースが多くあります。
尚、一般的なコルチゾール検査は起床時の空腹状態で採血を行うのが通常です。
血糖値が高まる前の最も自然に近い状態で数値を測定することで信頼性がより高い指標となる為です。
朝は最もコルチゾール数値が高まる時間帯ですから、基準範囲も朝の状態を指標としているケースが大半です。
※検査では朝食を食べる前に採血を行う