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【再生不良性貧血とは?】

検査ぶっく♪では白血球、赤血球、血小板などの血液成分が減少する疾患である再生不良性貧血について入門者向きに解説しております。

◆再生不良性貧血の解説(もくじ)

◆再生不良性貧血とは?

再生不良性貧血とは、血液中の成分である「白血球」「赤血球」「血小板」成分が何らかの要因によって減少してしまう疾患の総称です。

再生不良性貧血を発症する要因は、現在のところ先天性の遺伝によるものと、後天性による発症が確認されております。

しかし、先天性の遺伝の可能性は確実な検証が未だなされておらず、難しい疾患のひとつとして厚生労働省でも難病のひとつと定義しております。

血液の主要成分である「白血球」「赤血球」「血小板」が不足している状態を汎血球減少症とも呼びます。

※再生不良性貧血は白血球、赤血球、血小板などの血液成分が減少する疾患

重症度が低い場合には、貧血と血小板減少だけがあり、白血球数は正常近くに保たれていることもあります。

◆白血球・赤血球・血小板が減少する危険性

赤血球が不足すると、赤血球と結びついて酸素を運搬するヘモグロビンも不足する為、血中内のヘモグロビン濃度も減少し低い数値を示すようになります。

その為、ヘモグロビンの酸素運搬能力も低下し、貧血症状を頻繁に発症するようになります。

血小板は、傷ついた細胞の応急処置を行う重要な成分で、血液凝固作用という働きをもっており、血小板の不足に伴って「血が止まりにくい」「鼻血が出やすくなる」などの症状を発症するようになります。

再生不良性貧血患者の初期段階や、進行段階に入る前の段階のケースでは、この赤血球と血小板の減少が確認されても白血球は正常値を示すケースが多くあるのも特徴のひとつです。

白血球は、人体における最重要の免疫器官で白血球の減少は、様々な疾患やウイルスの進入に対する抵抗力が減少することに直結します。

その為、再生不良性貧血の本当の怖さは、合併症を発症しやすい状態になってしまうことであると言えるでしょう。

※血中主要成分の減少に伴い様々な合併症の可能性が生まれる

◆骨髄移植・ステロイド療法・成分輸血による治療

治療では、不足している各成分ごとにひとつずつ治療を行っていくことが必要です。

不足している成分を補う場合は、「輸血」によって血小板や赤血球を補給する方法があります。

献血では全血献血と成分献血(血小板献血)がありますが、近年成分献血のドナーの比率の向上が見られるようになったこともあり、短期的には成分輸血を行って治療を行っていくケースも多くあります。

尚、一時的に発症しているとされる再生不良性貧血の場合は、自然治癒力によって改善が見られるケースも多くありますが、重症患者の場合は、造血を行う骨髄そのものを交換する「骨髄移植手術」を行う事も検討していかなくてはいけません。

※重症患者の場合は最終的に骨髄移植手術を検討していくことも多い

但し、骨髄移植を希望する患者数に対して骨髄を提供するドナーが圧倒的に不足しており、また骨髄移植に関してはHLA型が適合するドナーからしか骨髄の提供を受けることが出来ない為、手術を行いたくてもドナー待ちとなっている患者が多くいるという課題があります。

骨髄のドナー登録は骨髄移植推進団体が運営する日本骨髄バンク公式ホームページでドナー登録を行うことができます。

「正直ドナーになるのは不安」という方も多いかもしれません。

しかし、誰もがおそらく耳にしたことがある「骨髄バンク」がどのような仕組みであるのかについて勉強しておくことも大切ですよね。

また、再生不良性貧血の治療では、蛋白同化ステロイド療法と呼ばれる、腎臓へ直接働きかけるステロイド療法も短期的であれば効果が高いとされております。

蛋白同化ステロイドは、腎臓の赤血球の生成の役割を担うエリスロポエチンというホルモンを意図的に刺激し分泌を促進させる働きをもつステロイド剤です。

~ポイントのまとめ~
★再生不良性貧血は白血球、赤血球、血小板などの血液成分が減少する疾患である
★血中主要成分の減少に伴い様々な合併症の可能性が生まれる
★重症患者の場合は最終的に骨髄移植手術を検討していくことも多い
★成分輸血、蛋白同化ステロイド療法などの治療法も短期的に有効