嘔吐下痢症は、その名称からもわかるとおり、嘔吐症状と下痢症状を伴う疾患の総称です。
原因は流行性ウイルスの感染でありウイルス感染症です。
原因となるウイルスとしては
●ロタウイルス
●ノロウイルス
●アデノウイルス
などのウイルスが代表的です。
どのウイルスも飛沫感染を感染経路とする疾患であり、幼稚園や保育園などに通っている子供が集団感染を起こすケースも珍しくありません。
また、子供がもらってきたウイルスが潜伏期間の間に家族中に広まり一家全員がダウンしてしまうようなケースも多くあります。
実際に家族全員がダウンしてしまったような経験がある方も多いかもしれません。
嘔吐下痢を発症すると、摂取した食物が栄養素となる前に吐き出してしまう事が多く、軽い栄養失調状態になります。
その為、嘔吐下痢症状が強く出ている場合はケトン体濃度も高くなる傾向にあります。
妊娠中のつわり症状と同様で、嘔吐が続くと栄養不足となり体内では脂肪酸が生成されます。
子供の場合は体力がまだ弱いのでブドウ糖への依存が強くケトン体が陽性を示すようなケースでは見た目よりも体感がつらい状態と捕らえても良いでしょう。
迅速にできる処置としては、やはり何よりもまず糖分の補給です。
お家でできる糖分の補給の基本は炭水化物系の食べ物が基本です。
しかしこれらの固形物は戻しやすいので飲み物で迅速に補給を行うのもひとつの方法です。
飲み物の中で利用したいのはポカリなどのスポーツドリンクです。
ポカリは体液の濃度に近づけてあるスポーツドリンクですから栄養素を素早く補給する目的においては適している飲み物のひとつです。
但し、一般的に販売されているポカリやアクエリアスなどは濃度がやや高い傾向にある為、氷をいれたり僅かに薄めた方が吸収力が高まります。
小さい子供の場合は、あめ玉などで糖分を補給することも可能です。
飴は水飴の原料からもわかるとおり、飴の大半の成分は糖分ですから糖分の補給に関しては有能な食品とも言えます。
嘔吐下痢症などを発症している場合は、あめ玉やバナナ・チョコレートなどのお菓子からの糖分の摂取も検討してみると良いでしょう。
バナナは子供が好きな食べ物の代表で糖質も豊富でかつ消化も良い食品です。
※飴玉やバナナは効率良く糖分補給が可能
食事が少しずつとれるようになってきた場合は、炭水化物を中心としたしっかりとした食材から少しずつ栄養を摂取するように心がけていきます。
炭水化物の代表はやはり「ご飯」ですが白米や玄米は普段よりも水分を多めに含め「粥状」で食べると胃腸への負担を軽減させることができます。
嘔吐下痢症はウイルス性腸炎を発症する疾患である為、完全に治るまでは胃腸への負担を軽減させる柔らかく消化の良い食べ物を中心にメニューを組んでいくことが基本です。