脂質異常症とは以前は
●高脂血症(こうしけっしょう)
と呼ばれていた疾患のことです。
脂質異常症は動脈硬化を引き起こす可能性をもつ危険因子のひとつとして注目視され続けている疾患です。
脂質異常症の診断は、血液検査によって行われ
●血液中のLDLコレステロール
●血液中の中性脂肪
が高い数値を示す場合に脂質異常症と診断されます。
また、善玉コレステロールとして知られる「HDLコレステロール」の数値が低すぎる場合も脂質異常症の可能性が検討されます。
脂質異常症(高脂血症)の診断基準は、血液検査の数値をもとに診断をしていきます。
但し、血液検査による診断はあくまで疾患の可能性を検討するための目安です。
診断基準として用いる検査数値は
●LDLコレステロール
●HDLコレステロール
●中性脂肪数値
の3つの数値を使用します。
血液検査を行う場合は、最低でも12時間以上の食事制限を行った後に検査を行うことが重要です。
これは、食事直後に中性脂肪の数値が極端に上昇してしまうため、正しい数値が確認できないためです。
以下は、脂質異常症の診断基準となる各血液検査の項目です。
【脂質異常症(高脂血症)の診断基準値】 | |||
---|---|---|---|
項目 | 脂質異常症と診断される範囲 | ||
LDLコレストロール値 | 140mg/dl以上 | ||
HDLコレストロール値 | 40mg/dl未満 | ||
中性脂肪値 | 150mg/dl以上 |
※食後12時間以内の測定はできません
血液検査によって脂質異常症の診断を受けてしまった場合について見ていきましょう。
まず、血液検査の数値が基準値の範囲外であった場合は、各検査数値に対しての管理目標数値を設定していきます。
基本となる管理目標数値は、前項の
●基準値内
に入ることが初期段階の目標です。
しかし、狭心症や心筋梗塞などの冠動脈疾患の発症経験がある場合などは、LDLコレステロールの管理目標数値が厳しく設定されます。
これは再発を予防することが目的です。
以下に脂質異常症対象者のLDLコレステロール数値の管理目標値をまとめます。
【脂質異常症患者のLDLコレステロール管理目標値】 | |||
---|---|---|---|
項目 | 脂質異常症と診断される範囲 | ||
①冠動脈疾患の発症経験がある場合(ない場合は②) | 100mg/dl未満 | ||
②糖尿病・脳梗塞・閉塞性動脈硬化症のいずれかを発症している場合(ない場合は③) | 120mg/dl未満 | ||
③いずれもない場合 | 140mg/dl以上 |
※個々の状況によって目標設定値が異なる場合があります